苦痛の少ない内視鏡検査 (胃カメラ・大腸カメラ)
内視鏡検査とは、細い管状のカメラを鼻や口や肛門から挿入し、胃や大腸を直接観察する検査です。内視鏡検査によって、日本人に多い胃腸のがんの早期発見につながります。近年では、機器の性能があがり、苦痛も少なく、胃カメラでは7分程度、大腸カメラでは15~30分程度でほとんどの検査が終了します。
検査は「上部消化管内視鏡検査(鼻や口から入れる胃カメラ)」「大腸内視鏡検査(肛門から入れる大腸カメラ)」の2つの種類があります。
経鼻上部消化管内視鏡検査(鼻から入れる胃カメラ)について
鼻から細い管(先頭部分が5mm程度)を挿入する苦痛の少ないタイプのカメラで検査ができます。鼻から挿入しますので、吐き気が起こりにくく、会話ができるのが特徴です。一方、詳しい検査が必要な場合・鼻炎のある方・鼻血が出やすい方・血がサラサラになる薬をお飲みの方、など鼻からの検査をお勧めできない場合もあります。その場合は、口からの検査をお勧めさせていただきます。
検査の流れ
検査前日
夕食は、夜9時までに消化の良いものをとってください。
検査当日
朝食はとらないでお越しください(朝の薬がある場合には指示に従ってください)。
水分(お茶やお水などの透明な飲料水)は、検査当日も少量は可です。
検査中
ベッドに左向きになった状態で検査を行います。
検査時間はだいたい7分程度です。
内視鏡のモニターを見ながら質問したりできます。
診断を確実なものにするために、色素をまく・特殊な光をあてることで病変を分かりやすくしたり、組織を採取して顕微鏡で診断する検査(病理診断)に提出したりすることがあります。
大腸内視鏡検査(肛門から入れる大腸カメラ)
大腸ポリープや大腸がんは、日本人の食生活が欧米化している現在、増加している疾患です。
当院では検査がより楽に行えるよう、カメラの硬さを変えて腸の奥まで到達しやすくする可変型スコープを使用しています。また、お腹の張りが早く改善する炭酸ガスを使用することによって、検査によるお腹の張りを軽減しています。
検査の流れ
検査前日まで
便秘のある方は、あらかじめ下剤により便秘を改善して検査の準備をしていただきます。
検査前日
夕食は、夜9時までに消化の良いものをとってください。
寝る前にコップ1杯の水に下剤を混ぜて飲んでいただきます。
検査当日
前処置として午前中に1~2リットルの下剤を服用していただき腸内の便を出して、腸がきれいになった時点で検査開始となります。
肛門から内視鏡を挿入して、体の向きを変えていただきながら大腸の奥までカメラを進めていきます。盲腸までの大腸全体と小腸の一部を直接観察します。
検査は20~30分程度です(個人差があります)。
もし病変が見つかれば、必要に応じてポリープを切除したり、組織を採取する生検を行います。採取したポリープや組織は顕微鏡で診断(病理診断)し、約1週間後に結果をご説明いたします。ポリープの切除や生検を行った場合は、数日間は飲酒や激しい運動や旅行などは避けてください。
注意事項
- ポリープの切除や生検など処置を行った場合、まれですが処置後に出血することがありますので、注意事項をよく守ってください。